たにがわ2のブログ

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カセットテープ2022 第1回 2022年、カセットテープ始めました

カセットテープがブームらしいですね。

 渋谷の東急ハンズに中古カセットテープ、ラジカセの販売ブースがあったり中目黒にはカセットテープ専門店ができたりしていますね。フランス製のポータブルカセットプレーヤーが家電批評に取り上げられたりしてましたし、ヤフオクウォークマン、ラジカセ、カセットデッキの落札価格はうなぎ登りに上昇しています。

 似たようなものとしてレコードやフィルムカメラなどのアナログメディアが「復権」していますが、それらの実用上としての機能、つまり音楽再生・写真撮影はほとんど全部スマホで完結するわけです。実際にスマホは大変便利でけっこうなのですが、そこにはもはや手間暇がかかる段取りは何もなくなり、趣味性が蒸発してしまいました。趣味なのだから手間暇をかけたい。その方向性として、高度なデジタル機器で手間暇をかけてさらに高みを目指す方向性もありですが、そこであえてのアナログを選択するというのも趣味としてまたありだと思います。懐古趣味ではありますが、逆に2022年だからできることも結構あってなかなか楽しいです。

カセットテープの魅力について

 カセットテープ含めたアナログメディアは、「その当時の最先端技術」で構成されています。カセットテープはその全盛期がバブル時代と重なるので、かつての日本の電機メーカーの栄光とその先端技術の結晶として、単なる大衆の消費財を超えた魅力を秘めているように感じます。

 単刀直入にいうとカセットウォークマンのメカがすごい。たった1.2Vのガム電池1本で動くポータブルカセットプレーヤーのメカ技術は、この2022年に見てこそ改めて凄みがある。そういう精緻なメカって2022年の身の回りに存在しないんですよね。機械式の時計を持っている人は別ですが、それ以外はほとんど半導体に置き換わってしまっていて、精緻なメカっていうと自動車とかドローンとかロボットとかでしょうか? でもそれらはスマホ的に普及していたかつてのカセットプレーヤーよりはちょっと遠いような気がします。

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ウォークマンのメカ

 カセットウォークマンにはモノとしての魅力がある。しかしそもそもカセットテープというのが、ある種暴力的に技術力を投入した結果、異常な発達をした恐竜的存在だったりするんですよね。そこに面白さがある。

 1960年代に登場した際は会話の録音やラジオ音質のBGM再生程度ができるだけのメディアだったものが、テープに使われる磁性体やカセットテープデッキの改良で高級オーディオでも使えるメディアになっていきました。鳴らすだけなら簡単だけど、良い音で聞かせるためにはとてつもない物量、つまり「お金」が必要。なんだか深い沼の予感がしてきましたね?? そして2022年現在ではそれら高性能な製品はすべてが中古でしか手に入らないのです。あかん趣味の予感。2022年現在新品で購入できるテープやラジカセはほとんどが質素でベーシックな性能しかないです。ただしく原点回帰していますね。

わたしがカセットテープにカムバックした理由

 きっかけはレンタル倉庫の整理でカセットウォークマンを発掘したから。箱からCDプレーヤー数台とカセットウォークマンWM-EX610が出てきました。アニメけいおん!!のCDアルバム、放課後ティータイムIIの初回限定盤に付属していたカセットテープを聞くために2010年ころ中古で入手したものです。久しぶりに再生を試してみましたが動きませんでした。大切に保管していたのにかなしい。

 なぜか。これはカセットテープ再生機器の宿命なのですが、メカの駆動にゴムベルトを使用していて、経年で加水分解してしまうからです。おおよそ5年から10年くらいでダメになるらしい。薄型のウォークマンが最後に出たのは2004年、最も最後まで売っていたタイプ(WM-FX202)でも2010年で販売を終了していますので、世の中にあるカセットウォークマンは基本的には全滅しています。メーカーの修理受付、補修部品販売も終了しています。

 ではどうするかというと、自分で互換ベルトを入手して、分解して直すしかないわけですね。ヤフオクにある”整備品”は同様に出品者がそれぞれの技術で修理したものになります。カセットウォークマンの修理動画はYouTubeにたくさん上がっているので、ベルト交換だけならそう難しくありません。

 2022年は互換ベルトという意味では恵まれていて、良いベルトをAmazonで入手することが可能です。ただサイズはなぜか決定的な情報がどこにもないので、いくつかの種類を買って試すしかないのですが…… ちなみにわたしのWM-EX610はTECHSPACEのベルト、0.5㎜×65㎜で修理してみました。とても快調です。うれしい。せっかく直したのだから、もっと使いたい。

(↑このときは0.7mmでためしてますね)

 しかし肝心の音楽が入っているカセットテープは引っ越しの際にだいぶ処分してしまい、数本しかありません。うーん。音楽ソフトとしてのカセットテープはヤフオクにもたくさん出品されていて、特に人気のものでない限りはまだまだ安く買えます。何本か買ってみよう。→ カセット楽しいな。予備機も確保しておきたいな→ ヤフオク地獄  やっぱ昔みたいに自分で録音したいな → デッキ入手 → やっぱりテープはいいものが欲しいな → ヤフオク地獄

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カセットテープ!

 というわけで絶賛ヤフオク地獄中です。破産寸前です。GWはお金がなくてどこにも行けないので、カセットテープについて連載して暇をつぶして過ごそうと思います。こんな長文を書くネタが大量にたまっているので、そうします。そんなかんじで、つづきはGWに書きたいと思います。

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WM-EX610

みなさんもカセットテープいかがですか? いや、やめておいた方がいいです。でもたのしい。